FT-ICR MSメタボロミクス解析による代謝変調の高速解析と変調マーカー分子同定

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タイトル別名
  • Clarification of Metabolic Disorders and Identification of Marker Metabolites by FT-ICR MS

抄録

FT-ICR MS(フーリエ変換イオンサイクロトロン型質量分離装置)によるメタボリックプロファイリング解析には,分析誤差の補正などのデータ解析が必須であったが,我々はこれをデータ解析ツール(Dmass)の開発によって克服した.メタボリックプロファイリング解析例として,作用機作の確立された数種の除草剤処理による代謝変調(metabolic disorder)の把握と代謝変調マーカー分子同定実験を報告する.除草剤(特異的酵素阻害剤)処理した植物体をメタノールで抽出し,直接FT-ICR MSに導入した.取得したメタボロームデータは主成分分析(PCA)により解析した.その結果,酵素反応阻害によって誘導される変調メタボロームの特徴を明らかにするとともに,変調メタボローム形成の主要因となるイオンを同定することができた. KNApSAcKデータベースを用いてこれらのイオンのm/zに対応する化合物を検索したところ,標的酵素基質や二次代謝産物の蓄積することが示唆された.これらの候補化合物の構造をFT-ICR MS一斉解析に連動させたMSMS法によって解析したところ,glyphosate処理によるシキミ酸3リン酸の蓄積や分枝アミノ酸生合成阻害剤処理による数種類のフェニルプロパノイド誘導体の蓄積が明らかとなった.一連のメタボローム解析によって高速メタボリックプロファイリングと物質同定が可能となった.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205630958464
  • NII論文ID
    130006991922
  • DOI
    10.14841/jspp.2006.0.888.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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