シロイヌナズナ必須元素欠乏応答の解析手法の開発―ウレタンを用いた水耕栽培
書誌事項
- タイトル別名
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- Development of an experimental system for analysis of nutrient deficient responses of Arabidopsis
説明
無機元素過剰時に関与する分子の同定が進む一方で、必須元素欠乏応答の解析はあまり進んでいない。この一因として、シロイヌナズナに栄養欠乏症状を出すことの難しさが考えられる。シロイヌナズナの栽培には、多くの場合、寒天やゲランガムなどの自然界由来のゲル化剤により固めた培地を用いて行われている。しかし、寒天には様々な必須元素が含まれており(Jain et al. Plant Physiol.,150,1033)固形培地での栄養欠乏実験は難しい。一方で、水耕栽培では多数の植物を扱うことが難しい。そこで本研究では、支持体として化学合成品であるウレタンを用いた水耕栽培を行い、必須元素の欠乏症について検討した。<br> 欠乏症状の検討を行うため、水耕液から各々の元素を抜いた培地を作成しシロイヌナズナをウレタン水耕栽培した。水耕栽培を2週間行い、症状を観察したところ、試した13種類の元素のうち、CoとCl以外については地上部に欠乏症状が現れた。MoとBについては品種間差を見出すことができた。現在、MgとZnについて詳細な解析を進めている。<br> ウレタン水耕栽培は播種が簡単であり、1000粒であれば30分以内に完了する。多量のサンプルを必要とするオミクス解析や欠乏感受性株のスクリーニングに適している。現在、欠乏感受性株のスクリーニングを進めている。
収録刊行物
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- 日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
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日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集 2010 (0), 0882-0882, 2010
日本植物生理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205631229696
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- NII論文ID
- 130006992327
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可