ブラシノステロイド情報伝達突然変異体<i>bil3</i>の機能解析

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タイトル別名
  • Analysis for brassinosteroid signaling mutants <i>bil3</i>

抄録

ブラシノステロイド(BR)は、細胞の分裂や伸長の制御等の植物成長の多くの場面で重要な働きを示す植物ホルモンである。我々はBR情報伝達機構の解明を目指し、BR生合成阻害剤Brz存在下での形態変化を指標として、Arabidopsisアクティベーションタギング変異ラインからBR情報伝達変異体bil (Brz-insensitive-long hypocotyl)の選抜と原因遺伝子の単離を行っている。<br> 暗所Brz存在下において発芽した野生型Arabidopsisは暗所下でも胚軸が短化し子葉が開く、暗所光形態形成を示す。この条件においても胚軸が野生株に比べて1.5%伸長する変異体bil3を、アクティベーションタグラインから単離した。bil3は明所下では成熟個体においてロゼット葉の細小化と花茎の短化を伴う細矮性Slender Dwarf様の形質を示した。この成熟個体においては、野生株と比較して、主花茎数が約1.3倍、枝数が約2.2倍、鞘数が約2.2倍に増加していた。このbil3についてReal-time PCRにより解析を行ったところ、BR生合成遺伝子DWF4の発現低下、BR情報伝達因子BIL4の発現上昇などが検出された。これらの結果はbil3変異体の原因遺伝子がBR情報伝達経路上で重要な働きをしている可能性を示唆すると考えられた。現在、変異原因遺伝子の同定を目指して解析を行っている。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205631444096
  • NII論文ID
    130006992647
  • DOI
    10.14841/jspp.2010.0.0826.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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