ミドリゾウリムシ共生クロレラの糖への応答に関する研究

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タイトル別名
  • Sugar sensing of symbiotic <I>Chlorella</I> isolated from Japanese <I>Paramecium bursaria</I>

抄録

ミドリゾウリムシから単離した共生クロレラはグルコースの添加で顕著に増殖し、また一部アミノ酸の取り込みもグルコースによって約2倍促進された。グルコースによるSer輸送促進の用量作用曲線から、EC50は3 μMと低濃度であった。興味深いことに、放射性標識グルコースを用いた検討の結果、グルコース自体は細胞内には取り込まれなかった。以上の結果から、グルコースが共生藻のSer輸送促進に対しシグナルとして働いていると考えた。グルコース応答によってSerだけではなくAlaやGlnも同様にその輸送が促進されたが、Argの輸送にはほとんど影響がなかった。影響されるアミノ酸は共にgeneral amino acid transport system (GATS)で輸送されることから、グルコース応答とGATSとの関連性が示唆された。Ser輸送のキネティクス解析を行った結果、グルコースにより最大輸送速度が約2倍上昇した。タンパク質合成の関与が考えられたが、タンパク質合成をシクロヘキシイミド処理で阻害した細胞でもグルコースに応答したので、この応答には新たなタンパク質合成は関わっていない。種々グルコースアナログを用いて構造活性相関を検討した結果、L体は活性を示さず、1, 2, 5位の立体配置と3, 6位の水酸基が応答に重要であることがわかった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205631738752
  • NII論文ID
    130006993081
  • DOI
    10.14841/jspp.2007.0.463.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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