トマトの液胞膜局在新奇糖輸送体

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タイトル別名
  • Novel Vacuolar Sugar Transporters from Tomato

抄録

糖輸送体は細胞への糖の輸送や蓄積、またシンク・ソース間の糖の長距離輸送を担う重要な分子である。今回は、かずさDNA研究所で構築されたトマトESTライブラリーに見出された、SFPサブファミリーに属する2つの新奇糖輸送体(SlSFP1, SlSFP2)について報告する。SlSFP1とSlSFP2はそれぞれ486個または490個のアミノ酸から成り,ともに12回の膜貫通領域と糖輸送体に特徴的なモチーフを持っていた。SlSFP1は果実での発現が比較的高く、その発現は開花直後と果実成長後期に特に高かった。一方、SlSFP2はどの器官においても比較的恒常的に発現していた。また、SlSFP1SlSFP2の発現はNaCl、ABA、低温ストレスおよび乾燥ストレスに対して同様の応答を示し、ABAによる誘導はみられなかったが、NaCl処理、乾燥ストレスおよび低温ストレスにより発現が上昇した。このことから、SlSFP1とSlSFP2は、ストレス条件下における糖の分配に関与していることが示唆された。また、SlSFP1またはSlSFP2とGFPの融合タンパク質がともに液胞膜に局在したことから、これら2つの糖輸送体がトマトの果実への糖蓄積に関与している可能性も示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205631748480
  • NII論文ID
    130006993095
  • DOI
    10.14841/jspp.2008.0.0160.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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