植物培養細胞から単離したプロトプラストの乾燥と超低温保存

  • 栗山 昭
    東京電機大学大学院 理工学研究科 東京電機大学大学院 先端科学技術研究科
  • 綾部 克則
    東京電機大学大学院 理工学研究科
  • 原 寛英
    東京電機大学大学院 理工学研究科
  • 山崎 秀幸
    東京電機大学大学院 先端科学技術研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Cryopreservation of protoplasts isolated from cultured plant cells by desiccation method

説明

植物培養細胞を長期期間安定に保存する方法として、液体窒素中での超低温保存は有効といわれている.最近では、乾燥した培養細胞を超低温で保存する方法も開発されている.我々は、コスギゴケ(Pogonatum inflexum)、ウマスギゴケ(Polytrichum commune)、イネ(Oryza sativa)培養細胞の乾燥法による超低温保存を試みてきた。これら培養細胞のうちでは、コスギゴケが最も保存しやすい材料であった。今回は、コスギゴケ培養細胞から単離されたプロトプラストを乾燥し超低温保存したので報告する。<br> コスギゴケ培養細胞を2%ドリセラーゼで処理した。単離されたプロトプラストは、0.35 Mグルコースを含むC-1培地に懸濁したた。プロトプラスト懸濁液をアルミホイル上にたらし、26℃、湿度約50%の環境下で乾燥した。乾燥が不十分な場合、プロトプラストは超低温保存後死滅したが、乾燥時間2時間以上のものでは、未乾燥(コントロール)のプロトプラストと同程度の生存率を示した。また、超低温保存したプロトプラストを再培養したところ、分裂およびコロニー形成が観察された。プロトプラストは細胞壁が除去され単細胞化しているので、乾燥から再吸水の過程の細胞の形態変化を見るのには都合が良いといえる.<br> 本報では、プロトプラスト懸濁液中に加える糖の種類、乾燥法の違いと保存後の生存率の関係や、他種プロトプラストの乾燥実験の結果も報告する.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205631903232
  • NII論文ID
    130006993321
  • DOI
    10.14841/jspp.2008.0.0881.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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