苔類ゼニゴケにおける分子遺伝学の基盤整備III <EST情報の蓄積と遺伝地図の作製>

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タイトル別名
  • Develpoment of molecular genetic resources for the liverwort Marchantia polymorpha III <EST information and genetic map>

抄録

苔類ゼニゴケは現生陸上植物の最も基部に位置するコケ植物に属する。雌雄異株で、単純な体制や半数体世代中心の生活環をもち、発芽胞子など1細胞の挙動を観察するのが容易である。当研究室では、ゼニゴケのモデル生物としての可能性に着目し、分子遺伝学を行なうための基盤整備を行なっている。これまでにPACゲノムライブラリーの構築や、EST情報の蓄積を行なっており、また、米国エネルギー省JGIによる全ゲノム解析計画も始動した。今までに公開されていた34,000リードのEST情報に加えて今回、新たに白色蛍光灯下、白色蛍光灯に遠赤色光を補光した光条件下、暗黒下で生育させた雄性葉状体と白色蛍光灯下で生育させた原糸体からRNAを抽出、約130,000個の完全長cDNAクローンを作製した。これらのクローンから約260,000リードのEST配列を獲得し、クラスタリングの結果、約27,000個のクラスターが得られた。そして、これにより約18,000の遺伝子を予測することができた。また、遺伝地図は変異体作成と組み合わせることで正遺伝学的なアプローチを可能にする重要な基盤情報である。当研究室で維持されている標準雄株系統 (Takaragaike-1)と新たに確立した雌株系統(Kitashirakawa-2)とのF1集団を作成し、DNA多型を利用した遺伝地図を作製した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205632034688
  • NII論文ID
    130006993513
  • DOI
    10.14841/jspp.2009.0.1028.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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