生物発光を用いたオーキシン応答の可視化

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  • Visualization of auxin response with bioluminescence

抄録

IAA19は胚軸屈性や側根形成などにかかわるオーキシン応答性遺伝子である(Tatematsu et al., 2004)。IAA19の組織特異性を調べるため、約3kbpのプロモーター領域と蛍光タンパク質、又はβ‐グルクロニダーゼ(GUS)レポーターの融合遺伝子を作成し、形質転換シロイヌナズナを解析した。その結果、発芽後5日目の芽生えの根では、根端部の原生木部、後生木部、根冠及び根冠側部で発現する事がわかった。また、根の中心柱では所々強く発現する部位があり、その一部では側根形成が認められた。このような散発的な発現変化を明らかにするには1個体の計時観察を行う必要がある。そこでより非侵襲的な観察が可能であるルシフェラーゼ(Luc)をレポーター遺伝子として用い、pIAA19:Lucの発現変化を時間的空間的に解析した。その結果、pIAA19:Lucは側根形成の初期段階で発現していることが明らかになった。また、根端を垂直状態から水平状態に置いた場合、根冠側部での発現は中心柱に対して下側に強く、上側は弱くなることがわかった。この発現変化はすでに報告されているDR5:GFPの発現変化と類似しており(Paciorek et al., 2005)、重力刺激によるオーキシンの極性輸送変化を反映していると考えられる。その後垂直状態に転じた根端で対称的な発現に転じる様子も確認できた。細胞内で比較的半減期の短いルシフェラーゼレポーターを用いることで、より広範なオーキシン応答を可視化できることを報告する。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205632646912
  • NII論文ID
    130006994440
  • DOI
    10.14841/jspp.2008.0.0345.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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