タバコの2型プロリン水酸化酵素遺伝子のクローニングと局在解析

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タイトル別名
  • cDNA cloning and intracellular localization of tobacco type 2 prolyl 4-hydroxylases

抄録

植物特異的な蛋白質へのO-結合型糖鎖修飾の最初のステップは,蛋白質中のプロリン残基のヒドロキシプロリンへの変換であり,その反応には,1型または2型のプロリン水酸化酵素(P4H)が関与すると推定されている.この修飾機構の解析の一環として,今回はタバコの2型P4Hの解析を行った.まず,タバコから2型P4Hの完全長cDNAクローン3種類(NtP4H2.1NtP4H2.2NtP4H2.3)を単離した.これらのコードする蛋白質は共にN末端にシグナルペプチド,中間部分に活性ドメイン,C末端にTox1ドメインと呼ばれる機能未知のドメインを持っていた.続いて,タバコ培養細胞由来の膜画分を分画し,NtP4H2.2の分布を特異抗体を用いて解析したところ,その分布がシスゴルジのマーカーと一致することを見出した.また,分泌型GFPにN末端シグナルペプチドを除いたNtP4H2.2を融合させた蛋白質をタバコ培養細胞中に発現させると,シスゴルジのマーカーとの共局在を示すドット状のGFP蛍光が観察された.更に,ミクロソーム画分を超音波処理した後,膜画分と可溶性画分に分離したところ,殆どのNtP4H2.2は膜画分に回収された.従って,2型P4Hは,主にゴルジ装置に局在する膜蛋白質である.現在,細胞内局在と膜結合に果たすTox1ドメインの解析を進めており,これについても報告したい.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205633022208
  • NII論文ID
    130006994998
  • DOI
    10.14841/jspp.2009.0.0791.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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