チラコイド膜形成に関わるVipp1タンパク質のライブイメージングによる解析

書誌事項

タイトル別名
  • Live imaging analysis of Vipp1 protein involved in thylakoid formation

説明

葉緑体はシアノバクテリアの細胞内共生に由来するために2重の包膜に囲まれ、その中に内膜系としてチラコイド膜が存在し光依存的にグラナを発達させる。グラナチラコイドの発達は集光アンテナや光化学系装置の合成と密接に関わる。さらに、チラコイド膜は内包膜に由来すると考えられているが、それを確証する結果は得られておらず、チラコイド膜形成の初期過程については今も不明の点が多い。Vipp1(vesicle-inducing protein in plastids 1)は葉緑体で巨大な複合体を形成し、チラコイド膜形成に関わることが推察されるタンパク質の1つである。本研究ではチラコイド膜形成過程を可視化して解析する試みとして、Vipp1-GFP融合タンパク質を過剰発現させたトランスジェニックシロイヌナズナを作製して葉緑体を観察することにした。作製した個体では、Vipp1-GFPが大きな顆粒として葉緑体内に観察されたが、興味深いことにGFPシグナルが非常に速い速度で葉緑体内を移動するイメージを頻繁に得ることができた。Vipp1複合体は包膜だけでなく、ストロマ、チラコイド膜に局在することが生化学的にも示されており、Vipp1の挙動は複合体の膜間移動を反映したものと考えられる。Vipp1-GFPのライブイメージングと、変異型Vipp1-GFPの解析についてもあわせて報告したい。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205633085312
  • NII論文ID
    130006995090
  • DOI
    10.14841/jspp.2010.0.0361.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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