Sc(OTf)<sub>3</sub>を触媒とした含窒素有機化合物の酸化還元反応
書誌事項
- タイトル別名
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- Scandium Triflate-Catalyzed Redox Reaction of Nitrogen-Containing Organic Compounds
説明
我々は、ケトン及びアルデヒド類への還元的アミノ化反応が、Sc(OTf)3触媒下、還元剤としてハンチ1,4-ジヒドロピリジンを用いることで収率良く進行することを見い出している。本還元反応はケトンやアルデヒド等が存在しても、イミンのみを選択的に還元するという特徴を有する。今回複数のアミノ基を有するアミン類を用いた反応を検討し、その場合でもSc(OTf)3が活性を失わず、還元的アミノ化反応が進行することが分かった。o-フェニレンジアミンとベンズアルデヒドの反応ではアミノ基が1個ベンジル化された生成物1が得られたが、副生成物として痕跡量の2-フェニルベンズイミダゾール2が確認された。そこで種々条件を検討したところ、酸素下でSc(OTf)3を触媒として加えることにより、2が高収率で得られた(Scheme 1)。この反応では中間体のイミンがイミダゾリンと平衡状態にあり、ハンチピリジンが存在すればイミンが還元された1を、酸素下であればイミダゾリンが酸化された2を与えたと考えられる(Scheme 2)。Sc(OTf)3が酸素酸化を触媒している例は報告されておらず、現在他の基質の酸素酸化に及ぼすSc(OTf)3の効果についても検討を加えている。それらを反応機構の考察と合わせて報告する予定である。
収録刊行物
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- 反応と合成の進歩シンポジウム 発表要旨概要
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反応と合成の進歩シンポジウム 発表要旨概要 29 (0), 152-153, 2003
日本薬学会化学系薬学部会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205633337984
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- NII論文ID
- 130006995370
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可