<i>O</i>–<i>N</i>分子内アシル転移反応に基づいた新規水溶性paclitaxelプロドラッグ

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タイトル別名
  • Design and Synthesis of Isotaxel: A Novel Water-Soluble Paclitaxel Prodrug Based on the <i>O</i>–<i>N</i> Intramolecular Acyl Migration Reaction
  • Isotaxelのデザインと合成

抄録

O–N分子内アシル転移反応に基づいて新規水溶性paclitaxel (1) プロドラッグがデザインされた。このプロドラッグIsotaxel (2)はpH-dependentなO–N分子内アシル転移反応により、副生成物なしに、1に変換する (Figure 1)。Paclitaxel (1) が有益な抗ガン剤であることは周知の事実であるが、一方で、難水溶性という性質 (0.00025 mg mL−1) が、臨床使用上の大きな欠点となっている。 そこで本研究では、難水溶性克服を目指した新規水溶性プロドラッグ、Isotaxel (2)のデザインと化学合成を検討した。すなわち、出発物質であるphenylisoserineをoxazolidine誘導体へと導き、続いてBaccatin III誘導体とラセミ化なくカップリングする経路を用いた。その結果、全8工程を収率58%という高収率で目的物2を得ることに成功した (Scheme 1)。本水溶性プロドラッグは、親化合物に比べ高い水溶性(1,800倍)と、生理条件(pH 7.4) において適度な半減期を有し、O–Nアシル分子内転位反応により親化合物1に完全に化学変換された。尚、この変換において副生物をまったく生成しないため、毒性やmedical economicsの点でも優れている。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205633359744
  • NII論文ID
    130006995404
  • DOI
    10.14895/hannou.29.0.126.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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