シロイヌナズナの網羅的転写因子過剰発現系統より単離された光により核局在が制御されている転写因子ZAT9の機能解析

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タイトル別名
  • The functional analysis of photomorphogenetic transcription factor, ZAT9, of which nuclear localization is regulated by light irradiation.

抄録

我々はグルココルチコイド受容体を利用した機能誘導系を組み込んだ、シロイヌナズナの網羅的転写因子過剰発現系統から、光形態形成に異常を示す変異体の単離を試みた。その結果、DEXを添加した培地上で生育させると、明所でのみ胚軸長が野生型よりも徒長し、子葉面積も減少するといった表現型を示す変異体を単離した。この変異体の単色光下における表現型の観察を行ったところ、赤色光、遠赤色光条件下では胚軸の表現型が、赤色光下では子葉の表現型が観察された。これらの観察結果から、変異体の表現型がフィトクロム依存的な細胞内情報伝達経路の異常により引き起こされていると推測される。<br> この変異体に導入されていた遺伝子は、ZAT9として知られている機能未知のC2H2ジンク・フィンガー型転写因子をコードしていた。ZAT9とGFPとの融合タンパク質の細胞内局在を観察した結果、融合タンパク質が核内に局在している事が確認された。興味深い事にこの局在は暗所では観察されなかった。この核内局在を単色光下で観察したところ、青色光、赤色光、遠赤色光下で核内への局在が確認された。またZAT9が制御している遺伝子群をマイクロアレイ解析により調査した結果、フィトクロム依存的な細胞内情報伝達経路に関わる遺伝子群の発現が変動している事が解った。本発表ではZAT9が光形態形成の制御にどの様に関わっているのか議論する。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205633655168
  • NII論文ID
    130006995775
  • DOI
    10.14841/jspp.2011.0.0668.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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