ヒネツリガネゴケにおける進化的に保存された光応答転写因子群の解析

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タイトル別名
  • Characterization of a set of evolutionarily conserved light-responsive transcription factors in Physcomitrella patens

抄録

ヒメツリガネゴケは陸上植物の進化を考える上で格好の研究材料である。我々は、シロイヌナズナを対象とした研究の延長として、ヒメツリガネゴケの「二成分制御系」や「概日時計」に関して興味ある知見を得てきた。今回はシロイヌナズナの光形態形成において重要な転写因子群に関して、ヒメツリガネゴケにおける進化的保存性に焦点を当てて解析した。シロイヌナズナにおいて光受容体(フィトクロムやクリプトクロム)の下流で働く光形態形成関連因子としてはHY5(bZIP型)、BBX(B-box-CCT型)、PIF(bHLH型)の各ファミリーに属する転写因子がよく解析されている。これらの因子はヒメツリガネゴケでも保存されているであろうか。機能は光情報伝達と関連しているであろうか。今回はこれらの疑問に答えるべく次のことを報告する。(i)HY5、BBX、PIFファミリーに属する転写因子は全てヒメツリガネゴケに存在する。(ii)それらの遺伝子を取得してシロイヌナズナにおいて過剰発現させることにより機能的保存性を確認した。(iii)ヒメツリガネゴケに二つ存在するHY5ホモログ遺伝子(PpHY5aとPpHY5b)の二重欠損変異体を作成し、その生育に及ぼす影響を解析した。HY5ホモログの欠損体ではコロニー周辺でのカウロネマ細胞の先端伸長が著しく阻害されることを含めて、植物における光形態形成関連の転写因子群の進化に関して考察する。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205634495872
  • NII論文ID
    130006996855
  • DOI
    10.14841/jspp.2011.0.0426.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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