単細胞緑藻クラミドモナスにおける時計遺伝子生物発光レポーター株の発光リズムから見えるもの

DOI
  • 丹羽 由実
    名古屋大学・院・理 名古屋大学・遺伝子実験施設
  • 松尾 拓哉
    名古屋大学・院・理 名古屋大学・遺伝子実験施設
  • 立川 誠
    名古屋大学・院・理 名古屋大学・遺伝子実験施設
  • 小内 清
    名古屋大学・遺伝子実験施設
  • 石浦 正寛
    名古屋大学・院・理 名古屋大学・遺伝子実験施設

書誌事項

タイトル別名
  • Bioluminescence rhythms of reporter strains for monitoring of circadian clock gene expressions in the unicellular green alga <I>Chlamydomonas reinhardtii</I>

抄録

私たちはクラミドモナスのいくつかの時計遺伝子に関して、プロモーター領域とルシフェラーゼを連結したレポーター遺伝子、コード領域とルシフェラーゼを連結したレポーター遺伝子を作製し,クラミドモナスを形質転換した(それぞれ時計プロモーターレポーター株、時計タンパク質レポーター株と呼ぶ)。時計プロモーターレポーター株の生物発光リズムは、mRNAの発現の位相が異なる遺伝子のプロモーターを用いたが、どれも同じ位相の振動を示した。この原因の一つは、ホスト株として用いた野生株の性質に起因していると推測された。一方、時計タンパク質ROC40、ROC75のレポーター株の生物発光リズムは、時計タンパク質の発現リズムとほぼ同じ位相を示した。例えば、ROC40は主観的夜明け前から主観的朝にかけて増加し、ROC75は主観的昼の中頃に増加する。これらの時計タンパク質レポーター株の生物発光リズムは、そのような時計タンパク質の発現リズムを極めて良く反映した。以上の結果から、ROC40とROC75の時計タンパク質レポーター株は、内在性のそれらの時計タンパク質の変動をモニターするためのレポーターとして今後の研究に有用であることがわかった。また、時計プロモーターレポーター株と時計タンパク質レポーター株が異なる生物発光リズムを示すことから、クラミドモナスにおける生物発光レポーターの複雑な制御機構が示唆された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205635657728
  • NII論文ID
    130006998150
  • DOI
    10.14841/jspp.2011.0.0736.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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