The facilities keeping great apes in Japan
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- OCHIAI-OHIRA Tomomi
- 京都大・霊研
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- KURASHIMA Osamu
- 東京大・総合文化
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- HASEGAWA Toshikazu
- 東京大・総合文化
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- YOSHIKAWA Yasuhiro
- 東京大・農学生命科学
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- ENDO Hideki
- 京都大・霊研
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- MATSUZAWA Tetsuro
- 京都大・霊研
Bibliographic Information
- Other Title
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- 日本国内の大型類人猿飼育施設の分析
Abstract
大型類人猿情報ネットワーク(GAIN)では、飼育動物の生活の質(QOL)の向上などを目的とした研究者と飼育施設とのネットワーク作りや、大型類人猿に関する情報整備に取り組んできた。2003年1月からは、国内の大型類人猿飼育施設を訪問し、職員にヒアリングをする形で情報収集をおこなった。本研究では、こうした活動から得られた情報と、社団法人日本動物園水族館協会(2006年6月1日現在、国内の91の動物園と68の水族館が加盟)によりまとめられた血統登録書などから、大型類人猿を飼育する施設について分析したので報告する。現在、日本国内にはチンパンジーが55施設348個体、ゴリラが10施設29個体、オランウータンが23施設53個体飼育されている(2006年12月31日現在)。これら大型類人猿を飼育する施設は58施設であり、その半数以上(33施設)を、札幌市、仙台市、名古屋市、広島市、福岡市などといった市立の動物園が占めた。その他約1割(9施設)は都立・県立動物園や大学などの研究機関、残り約3割(16施設)は民間飼育施設や個人動物園だった。民間飼育施設は、株式会社や有限会社という形式がとられていた。ゴリラとチンパンジーというように大型類人猿を2種以上飼育する施設は24施設あり、その約9割(21施設)を公立動物園が占めた。また、大型類人猿3種すべてを飼育している施設は6施設あり、すべて大都市の市立動物園だった。チンパンジーを飼育する施設の約半数は、3個体以下での飼育である。また、ゴリラやオランウータンの平均飼育個体数は3個体未満である。飼育はしているが「群れ」と呼べるものが少なく、それが国内大型類人猿の個体数の減少につながっていると思われる。したがって、公立動物園が互いに連携し、飼育種数を減らして飼育個体数を増やすという方向が考えられる。そうした連携は、各施設をユニークなものにするだろう。
Journal
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- Primate Research Supplement
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Primate Research Supplement 23 (0), 83-83, 2007
Primate Society of Japan
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205636185472
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- NII Article ID
- 130006998856
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed