DNA修復因子hMRE11の相同組換えにおける役割

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タイトル別名
  • The role of hMRE11 in homologous recombination repair

抄録

DNA二重鎖切断は電離放射線や化学薬剤により誘発される重篤なDNA損傷である。真核生物はDNA二重鎖切断を修復する為に二つの修復経路を進化発達させてきた。一つが非相同末端結合修復であり、切断された末端同士を直接結合する。この修復経路は細胞周期全体で機能しており主にG1期で活性が高い。もう一つが相同組換え修復であり、DNA合成期から分裂期までに機能し相同染色体、又は姉妹染色分体を鋳型として修復を行うために正確な修復経路であると考えられている。今回、DNA修復因子hMRE11の機能解析の結果を報告する。hMRE11は二つの修復径路のうち相同組換え修復で主要な役割を担っていると考えられており、真核生物で広く保存されている。hMRE11はヒトではNBS1、hRAD50と複合体を形成しており、減数分裂やS期チェックポイントにも関わっていることが報告されている。hMRE11遺伝子に変異をもつヒトの患者細胞であるATLDは放射線感受性の他、染色体不安定性、免疫不全といった重篤な臨床症状を示す。最近ではhMRE11のメチル化、及びリン酸化等の修飾が報告されているが、DNA修復との関連性は未だ不明な部分が多い。それ故、hMRE11の機能未知の部分の変異体を作製し、DR-GFPレポーターによるアッセイ系を用いて相同組換えの効率を測定する。また複合体を形成しているNBS1へのこれらの修飾による影響を免疫沈降法及び免疫染色法を用いて検討し、報告する。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205639185664
  • NII論文ID
    130006999081
  • DOI
    10.11513/jrrsabst.2006.0.185.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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