低分子量G蛋白質制御因子RhoGDIβの新規電離放射線誘発切断部位の同定

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  • Identification of a novel cleavage site of RhoGDIβ in X-irradiated BALB/c 3T3 1-1src cells

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低分子量G蛋白質は種々の因子による細胞応答に対する中心的なシグナル伝達因子であり、そのスイッチの役目をしているのがRho-GDP dissociation inhibitor(RhoGDI)である。RhoGDIは動物細胞では少なくとも3種類存在するが、この内、RhoGDIβ(LyGDI、GDID4、あるいはRhoGDI2とも呼ばれる)においてのみ、アポトーシス誘導や炎症の過程で蛋白質分断化にかかわっている蛋白分解酵素カスペースに対する分断化部位を持つ。現在までに、3型カスペースで分断化される部位と1型カスペースで分断化される部位がRhoGDIβ分子内には知られており、それぞれ異なる生理的局面におけるアポトーシス感受性因子として機能していることが示唆されている。今回、我々はBALB/c 3T3細胞をがん遺伝子v-srcでトランスホームした1-1src細胞の電離放射線被曝細胞死過程で、3型カスペースや1型カスペースの活性化を伴わないRhoGDIβの分断化誘導現象を見つけた。また、RhoGDIβのアミノ酸置換突然変異体を作成することによって切断部位を同定したところ、これまでに知られていない新規の切断箇所の存在が明らかとなった。RhoGDIβ分断化様式の多様性は細胞死を確実に保証可能な細胞内シグナルのネットワーク機構を示唆する。

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