Advantages of the human corneal epithelium sheet reconstructed in a collagen vitrigel chamber and its application to eye irritation test.

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  • コラーゲンビトリゲル膜チャンバー内に再構築したヒト角膜上皮シートの特徴とその眼刺激性試験への応用

Description

[目的] 最近、コラーゲンビトリゲル薄膜(生体内の結合組織に匹敵する高密度コラーゲン線維の薄膜)をプラスチック円筒の底面に接着して、新たにコラーゲンビトリゲル膜チャンバーを開発した(特願2010-254255)。本研究では、このコラーゲンビトリゲル膜チャンバーを利用して、ヒト角膜上皮細胞株(HCE-T細胞)を多層化培養することによりヒト角膜上皮の組織シートを再構築すること、再構築した組織シートのバリア機能を解析すること、および眼刺激性の化学物質を曝露して惹起される経上皮電気抵抗値(TEER)の経時変化を解析することを目的とした。 [方法] HCE-T細胞をコラーゲンビトリゲル膜チャンバー内に播種し、コンフルエントになるまで3日間培養した。その後、液相-気相の界面で7日間培養して多層化細胞を誘導することで、ヒト角膜上皮組織シートを再構築した。この組織シートについて、凍結切片を作製した後に核染色および免疫組織染色を施し、細胞の多層化に伴う分化を観察した。また、眼刺激性の化学物質を暴露しTEERの経時変化を測定した。 [結果と考察]  液相-気相の界面で培養したHCE-T細胞は、経時的に多層化して界面培養7日目にはヒト角膜に匹敵する5層前後の細胞層を形成した。また、免疫組織染色の結果、タイトジャンクションおよびギャップジャンクション関連のタンパク質を強く発現していたこと、および多層化の進行に伴いTEERの経時的な上昇が認められたことから、ヒト角膜上皮に類似したバリア機能が形成されていることが示唆された。さらに、10種類の化学物質を暴露したところ、各化学物質の眼刺激性の強さに応じたTEERの経時的な変化が認められた。特に、暴露10秒後のTEER減少率はドレイズスコアと良好に相関していたことから、化学物質の眼刺激性を短時間で評価できる可能性が示唆された。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390001205657286912
  • NII Article ID
    130007002827
  • DOI
    10.14869/toxp.38.0.10013.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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