臨床病理学パラメーターに及ぼす絶食および再給餌の影響

  • 山口 貴嗣
    ゼリア新薬工業株式会社 中央研究所 動態・安全性研究室
  • 澤多 美和
    ゼリア新薬工業株式会社 中央研究所 動態・安全性研究室
  • 小川 秀治
    ゼリア新薬工業株式会社 中央研究所 動態・安全性研究室
  • 木ノ本 寿子
    ゼリア新薬工業株式会社 中央研究所 動態・安全性研究室
  • 鷲塚 昌隆
    ゼリア新薬工業株式会社 中央研究所 動態・安全性研究室
  • 米良 幸典
    ゼリア新薬工業株式会社 中央研究所 動態・安全性研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of fasting and refeeding on clinical pathological parameters in rats

説明

【背景】毒性試験において、被験物質投与時の過誤や毒性により、一般状態の悪化から一過性の絶食状態に陥る場合がある。そこで我々は絶食及び再給餌における影響について、血中の中性脂肪(TG)、グルコース(Glu)、総コレステロール(Cho)、及び肝臓の形態学的変化に着目して検討した。【方法】動物は雄性Crl:CD(SD)ラットを用いた。試験は6群(G1~G6)構成とし、G1は26時間飽食させ、G2は21時間絶食後、5時間飽食(再給餌)させた。G3は24時間絶食後、2時間飽食(再給餌)させた。さらにG1~G3は飽食後、18時間絶食させ剖検した。G4~G6はG1~G3の各々飽食終了時に絶食を負荷せずに剖検し、血中TG、Glu及びCho測定、さらに肝臓での病理組織学的検討を実施した。【結果】摂餌量においては,飽食時間が長い群では総摂餌量が多かったが,再給餌群のG2及びG3では単位時間あたりの摂餌量の亢進がみられた。TGは飽食群のG4が最も高く,剖検前に絶食を負荷したG1では約1/4倍に低下した。G4~G6では絶食時間が長いほど低値を示し、摂餌開始2時間ではTGの上昇は認められなかった。Gluについては、飽食状態で解剖したG4~G6は、絶食状態で解剖したG1~G3と比較してやや高値を示した。Choについては、G1~G3及びG4~G6間では明確な差は認められなかった。肝臓の病理組織学的変化としては核分裂像数の低下が、再給餌群(G2、G3、G5及びG6)では認められた。【結論】TGは絶食及び再給餌による影響が、肝臓の核分裂像数及びGluについては絶食の影響を受けることが判明した。摂餌量に変動が認められた際、これらの項目については、十分考慮して評価する必要があると考えられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205657676032
  • NII論文ID
    130007002999
  • DOI
    10.14869/toxp.36.0.4141.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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