42化合物のin vitro 3T3光毒性試験:光細胞毒性と化学構造との相関
書誌事項
- タイトル別名
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- in vitro 3T3 phototoxicity test of 42 chemicals: structure-activity relationship
説明
【目的】近年,産業化学物質や環境汚染物質の光毒性について注目が高まりつつある。種々の化学物質の光毒性を調べ,構造との関連性を議論することはヒトでの安全性を評価していく上で重要なことと考えられる。今回,芳香族炭化水素,ヘテロ環化合物,ニトロ芳香族化合物,芳香族アミンやニトロソ化合物など計42の化合物について,in vitro 3T3 NRU光毒性試験を実施し評価した。<BR> 【方法】試験方法及び評価方法はin vitro 3T3光細胞毒性試験に関するOECDガイドライン432に準拠した。すなわち,培養したマウス繊維芽細胞3T3に細胞毒性がほとんど引き起こされない最大照射線量7.3 J/cm2 (UVR-2, Topcon)でDr. Hönle社製のH1フィルター付き模擬太陽光照射装置SOL500を用いて光(UV-B/A及び可視光)照射した。光照射時と非照射時での被検物質による細胞毒性発現濃度をニュートラルレッドの取り込みを指標にして比較し,光細胞毒性の有無とその強さを求めた。<BR> 【結果,考察】光細胞毒性の有無及びその強さは化学構造の基本骨格及びその官能基に大きく依存していた。芳香族炭化水素やニトロ芳香族化合物に属する化合物はその多くが光細胞毒性を示し,強い細胞毒性を示すものも数多くあった。一方,ヘテロ環化合物や芳香族アミンに属する化合物は陽性あるいは陰性を示し,置換基に依存してその強さは変化した。ニトロソ化合物は弱い陽性を示した。尚,今回調べた被検物質の化学構造と光細胞毒性の定性的相関性だけでなく,化学物質の最高被占軌道と最低空軌道のエネルギー差(HOMO-LUMO gap)を指標にした定量的相関性についても議論する予定である。
収録刊行物
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- 日本トキシコロジー学会学術年会
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日本トキシコロジー学会学術年会 36 (0), 4136-4136, 2009
日本毒性学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205657680512
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- NII論文ID
- 130007003005
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可