メチル水銀によるミトコンドリア機能障害に与えるピルビン酸の影響

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タイトル別名
  • Effect of pyruvate on mitochondrial dysfunction by methylmercury

説明

【目的】ミトコンドリアはメチル水銀毒性発現において重要な標的オルガネラと考えられている。我々は、無毒性濃度のピルビン酸の培地中への添加がヒト神経芽腫細胞のメチル水銀感受性を著しく増強すること、および、メチル水銀がミトコンドリアへのピルビン酸取り込みを促進すること、を見出している。そこで、今回はピルビン酸によるメチル水銀毒性増強作用とミトコンドリアを介したメチル水銀毒性発現機構との関わりについて検討した。<BR>【結果および考察】ミトコンドリア膜電位の低下が細胞障害を引き起こすことが知られている。そこで、メチル水銀およびピルビン酸がミトコンドリア膜電位に与える影響を調べた結果、メチル水銀はミトコンドリア膜電位を低下させ、この作用をピルビン酸が増強させた。また、ピルビン酸の培地中への添加はメチル水銀による活性酸素種産生も有意に上昇させた。活性酸素種は主にミトコンドリア電子伝達系complex IまたはIIIから産生されることが知られている。そこで、両complexの活性に必要な蛋白質をコードする遺伝子を、siRNAを用いてそれぞれノックダウンしたところ、ピルビン酸によるメチル水銀毒性増強作用が有意に抑制された。一方、ミトコンドリアの異常はカスパーゼ３の活性化を誘導してアポトーシスを引き起こすことが知られているが、メチル水銀はカスパーゼ3を活性化させ、ピルビン酸はその活性化作用を更に上昇させた。現在、ピルビン酸によるメチル水銀毒性増強作用におけるカスパーゼ３が媒介するアポトーシスの関与について検討中である。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205657700096
  • NII論文ID
    130007003028
  • DOI
    10.14869/toxp.38.0.20036.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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