2-エトキシ-2-メチルプロパンのラットへの長期経口投与は発がん性を示さない
書誌事項
- タイトル別名
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- No carcinogenicity of 2-ethoxy-2-methylpropane in rats by two-year drinking water treatment
抄録
【目的】地球温暖化対策として2-エトキシ-2-メチルプロパン(エチルターシャリーブチルエーテル、ETBE)の本格的なガソリンへの添加にあたり、ETBEの安全性評価の一環として、混水経口投与による2年間のがん原性試験を実施した。<BR> 【方法】F344/DuCrlCrljラット雌雄、各群50匹にETBE(99wt%以上)を雌雄とも0(対照群)、625、2500、10000 ppm(重量比wt/wt)の濃度に混合した飲水を104週間自由摂取させた。一般状態の観察、体重、摂餌量及び摂水量の測定、血液学検査、血液生化学検査、尿検査、剖検、臓器重量測定及び病理組織学検査を行った。<BR> 【結果】ETBEの混水経口投与の結果、投与群の生存率は対照群と同様であり、投与による影響はみられなかった。一般状態の観察では、雌雄とも、投与の影響と思われる変化はみられなかったが、投与濃度に対応した体重増加の抑制が雌雄ともすべての投与群にみられた。投与群の摂餌量は、雌雄とも多くの週で低値であり、摂水量は、雌雄ともほぼ全投与期間を通して低値であった。各投与群における全投与期間を通した被験物質平均摂取量(mg/kg体重/日)は、雄では625 ppm群:28、2500 ppm群:121、10000 ppm群:542、雌では625 ppm群:46、2500 ppm群:171、10000 ppm群:560であった。雌雄とも投与群に腫瘍の発生増加はみられなかった。なお、非腫瘍性病変については、慢性腎症の程度の増強が雌雄の10000 ppm群にみられた。また、雄の腎臓には乳頭部の鉱質沈着と腎盂の尿路上皮過形成が2500 ppm以上の群で増加した。<BR> 【結論】ラットを用いて、非遺伝毒性物質であるETBEの混水経口投与によるがん原性試験を行った結果、雌雄ラットに腫瘍の発生増加は認められず、発がん性は示されなかった。<BR> 本研究は、財団法人石油産業活性化センターが石油連盟から委託された「ETBEの発がん性に係わる調査」事業の一環として実施されたものである。
収録刊行物
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- 日本トキシコロジー学会学術年会
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日本トキシコロジー学会学術年会 38 (0), 20057-20057, 2011
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205657718400
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- NII論文ID
- 130007003049
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可