摂餌量低下時のイヌにおける胃壁細胞の形態変化に関する病理組織学的検討

  • 澤本 修
    (株)大塚製薬工場 研究開発センター 基礎評価研究部
  • 福田 立
    (株)大塚製薬工場 研究開発センター 基礎評価研究部
  • 早見 康高
    (株)大塚製薬工場 研究開発センター 基礎評価研究部
  • 中島 芳文
    (株)大塚製薬工場 研究開発センター 基礎評価研究部

書誌事項

タイトル別名
  • A study on histopathological changes of gastric parietal cells observed in beagle dogs with decreased food consumption

説明

【目的】毒性試験等において摂餌量が著しく低下したイヌで,胃の壁細胞の空胞化がみられることを我々は経験している。そこで今回, 摂餌量減少による胃壁細胞の空胞化について,病理組織学的及び電子顕微鏡学的に検討した。<BR> 【方法】8ヵ月齢の雄ビーグル3匹を,絶食下で13日間経静脈栄養法により管理した。剖検時に胃底部を採取し,病理組織学的及び電子 顕微鏡学的に観察した。また,経静脈栄養法のカニュレーション術を施した摂食の2匹を対照動物とした。<BR> 【結果】病理組織学的検査において,3例中2例に胃底部粘膜上皮の壁細胞に空胞化が認められた。胃底部粘膜上皮の壁細胞を電子顕微鏡 で観察した結果,対照に比べて細胞細管(intracellular canaliculus)は堅く閉じられ,小管小胞(tubulovesicle)構造物の増加及び細胞 質の空胞が観察された。この空胞内には,同心円状の膜構造や絮状物が認められた。<BR> 【まとめ】胃の壁細胞は摂食時には胃酸を分泌し,食餌と関連してその形態を大きく変えることが知られており,外科的に胃酸分泌を抑 制すると今回と同様の壁細胞の空胞化を生じることが報告されている。毒性試験において,壁細胞の空胞化が認められた場合,摂餌量 との関連性を十分考慮する必要があると考えられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205658020992
  • NII論文ID
    130007003188
  • DOI
    10.14869/toxp.37.0.361.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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