周生期環境化学物質曝露が情動・社会行動発達に及ぼす影響

DOI
  • 小川 園子
    筑波大学大学院人間総合科学研究科行動神経内分泌学研究室
  • 坂本 敏郎
    筑波大学大学院人間総合科学研究科行動神経内分泌学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of perinatal exposure to environmental chemical compounds on development of emotional and social behavior

抄録

環境中の化学物質への周生期曝露は,母親には影響のない低濃度であっても,胎児や新生児の神経系や行動の発達に重篤な影響を及ぼ すことが指摘されている。特に,エストロゲン様作用を持つ物質への周生期曝露は,脳の性分化に影響することにより,成長後の性特 異的な行動発現を大きく変容させる可能性がある。従って,化学物質作用の発達神経毒性評価には,学習・記憶機能の評価に加えて, 不安・情動性レベル,攻撃や性行動,社会的認知・記憶などの包括的な行動評価が極めて重要であると言える。我々はこれまで,これ らの情動・社会行動の制御に果たす性ステロイドホルモンやその受容体の役割に注目した研究を進めてきた。それらの知見を基盤に, 環境化学物質への胎仔期曝露が後の行動に及ぼす影響についての解析に着手した。すなわち,妊娠期にDESあるいはダイオキシンを投 与された母親マウスから生まれた仔が成長したのち,オープンフィールドや明暗箱往来テストといった広く用いられている行動テスト による不安・情動性レベルや新奇環境での活動性の測定を行った。更に,本研究室で現在開発中のシステムを用いて,社会的認知,嗜 好性,反応性などの評定を行った。本講演では,これらの最新の研究成果について報告する。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205658041728
  • NII論文ID
    130007003215
  • DOI
    10.14869/toxp.37.0.34.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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