iPS細胞の安全性評価への応用に関するスーパー特区事業計画
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- 山田 弘
- 独立行政法人医薬基盤研究所トキシコゲノミクス・インフォマティクスプロジェクト
書誌事項
- タイトル別名
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- Application of iPS cells for safety assessment
抄録
独立行政法人医薬基盤研究所(以下「基盤研」)と全国の関係研究機関と連携した研究課題(「ヒトiPS細胞を用いた新規in vitro 毒性評価系の構築」)は、内閣府、文部科学省、厚生労働省、経済産業省が平成20年度に公募を行った「スーパー特区(先端医療開発特区)」に、採択された。本特区複合体は、研究代表者(水口裕之)が所属する基盤研を中心に、国立医薬品食品衛生研究所、国立成育医療センター、国立がんセンター、熊本大学発生医学研究センター、独立行政法人国立病院機構大阪医療センターといった全国の研究機関・医療機関より構成されており、それぞれの強みを基に役割を分担し、これまでの研究成果を生かしながら研究を推進している。 基盤研においては、iPS細胞研究を全所あげて促進するため、所内横断的組織である「iPS・幹細胞創薬基盤プロジェクト」を平成20年7月29日付けで発足し、今回特区に参加する研究者もすべて同プロジェクトに併任している。研究としては、1)性別、年齢、病態、人種等種々のバリエーションを有したヒトiPS細胞コレクションの作製、2)再現性のある安定したヒトiPS細胞培養系の確立のための品質管理・品質評価法の開発、3)遺伝子導入技術の応用による目的細胞への高効率分化誘導技術の開発と分化誘導細胞コレクションの構築、4)トキシコゲノミクス解析を応用した新規 in vitro 医薬品毒性評価システムの開発に関連した研究を行っている。 本研究により構築されるヒトiPS細胞を用いた新規in vitro毒性評価系は、これまで毒性試験において課題とされてきた種差の壁の克服あるいはヒトにおける特異体質性副作用発現の予測等を可能とする新手法になるものと期待しており、引いては医薬品の安全性向上、医薬品開発の効率化に貢献できるものと考えている。本講演では、本スーパー特区事業計画の概要について紹介する。
収録刊行物
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- 日本トキシコロジー学会学術年会
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日本トキシコロジー学会学術年会 36 (0), 1206-1206, 2009
日本毒性学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205658175232
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- NII論文ID
- 130007003264
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可