Crl:CD(SD)雌ラットの加齢による性周期,生殖パラメータ及び胎児発生に及ぼす 影響

DOI
  • 山内 俊明
    武田薬品工業(株)・医薬研究本部・開発研究センター
  • 石井 美沢
    武田薬品工業(株)・医薬研究本部・開発研究センター
  • 松本 清
    武田薬品工業(株)・医薬研究本部・開発研究センター
  • 茶谷 文雄
    武田薬品工業(株)・医薬研究本部・開発研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Age-related changes of estrous cycle, reproductive performance and fetal morphology in Crl:CD (SD) female rats

抄録

[目的]毒性試験で汎用されているCrl:CD(SD)ラットは,一般毒性学的な背景データが豊富で,生殖発生毒性に関するデータも多いが, 加齢と生殖発生の関連を示す情報は少ない。本実験ではCrl:CD(SD)ラットの若齢から高週齢に至るまでの性周期をモニターするとと もに,経週的に雄ラットと交配させ繁殖成績を調べた。<BR> [方法]6~43週齢の雌動物の膣スメアを連日採取してギムザ染色し,性周期を観察した。また,5~40週齢の雌動物を雄と経週的に交 配して,妊娠20日に帝王切開し,交尾能,受胎能等の生殖パラメータ並びに胎児の外表,内臓及び骨格観察を行った。<BR> [結果]8週齢まで異常性周期が観察されたが,その後は20週齢までほぼ安定した性周期を示した。21週齢から異常周期を示す動物が増 加する傾向がみられ,43週齢時には異常周期動物は73%に達した。雄動物との交配では,若齢期に排卵数(黄体数)の低値がみられたが, 8週齢以降は安定し,23週齢以降は加齢に伴い交尾率,受胎率,着床数の低値及び胚・胎児死亡率の高値がみられた。高週齢動物では 胎児体重が低値を示し,胎児の外表観察では交配時35及び40週齢群の胎児に臍ヘルニアがみられた。内臓及び骨格観察では週齢に関 係した異常あるいは変異所見はなかったが,高週齢動物の胎児の仙尾椎数が低体重によると考えられる低値を示した。<BR> [考察]本系統の雌ラットの生殖機能的に安定した週齢は8~20週齢と考えられた。生殖内分泌系に影響を与える薬剤の長期投与試験や 生殖試験で高週齢ラットを用いる場合は,加齢性変化を十分に把握して毒性を評価する必要がある。

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205658402304
  • NII論文ID
    130007003473
  • DOI
    10.14869/toxp.37.0.378.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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