中間周波磁界曝露装置の開発と微生物復帰突然変異試験による磁界の変異原性評価
書誌事項
- タイトル別名
-
- Development of exposure system of intermediate frequency magnetic fields for in vitro research and evaluation of mutagenisity of the magnetic fields by bacterial mutation test
抄録
[背景]近年、様々な電気機器の発達により、中間周波数帯の電磁界の利用が増加しており健康影響に関する関心が高まりつつある。しかし、中間周波電磁界(300Hz~10MHz)の生物影響については、ほとんど研究されていない。[目的]in vitro試験が可能な中間周波磁界曝露装置を開発し、微生物復帰変異試験により、2kHz、20kHz、60kHzの中間周波磁界の変異原性について検討する。[方法]in vitro試験用の中間周波磁界曝露装置を開発した。本装置は、2kHz、20kHzおよび60kHzの正弦波磁界を、それぞれ最高0.91mTrms(ICNIRP国際ガイドラインの146倍)、1.1mTrms(同176倍)および0.11mTrms(同18倍)で曝露できる。コイル内に磁場を遮蔽しないように塩ビ性のウォータージャケット式インキュベーターを配置した。磁界曝露空間は、20 x 20 x 20cmで、磁界の均一性は、±2.5%以内に制御できた。この装置を用い、6種類の試験菌株(サルモネラ菌4菌株(TA1535、TA1537、TA98、TA100)および大腸菌2菌株(WP2 uvrA、WP2 uvrA/pKM))に対し、2kHzで910μT、20kHzでは、270μTおよび1.1mT、60kHzでは110μTの磁界を、それぞれ48時間曝露した。各試験は、対照群および曝露群それぞれ6枚ずつのプレートを用い、3回以上行った。[結果]t-検定で復帰変異コロニー数を評価したところ、いずれの菌株でも再現性のある有意な復帰変異コロニー数の変化は見られなかった。また、各試験結果の平均値を用いたプール解析でも有意な差は見られなかったことから、本研究で検討した高磁束密度の中間周波磁界には、変異原性がないことが明らかとなった。
収録刊行物
-
- 日本トキシコロジー学会学術年会
-
日本トキシコロジー学会学術年会 32 (0), 178-178, 2005
日本毒性学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001205658601600
-
- NII論文ID
- 130007003577
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可