フローサイトメーターを用いた<I>in vivo</I>小核試験の試み
書誌事項
- タイトル別名
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- The investigation of <I>in vivo</I> micronucleus assay using flowcytometer
説明
In vivo小核試験は染色体異常誘発を検出する変異原性試験である.末梢血液を用いる場合,1匹の動物から数回のサンプル採取が可能であるため小核誘発の経時的推移が追うことができ,また反復投与毒性試験など様々な動物試験に組み込むことが可能であるため,使用動物数の削減にもつながる有用な試験である.しかし,標本の顕微鏡観察には多大な時間が必要であり,また,適切な教育・訓練を受けた者でなければ観察することができない.フローサイトメーターを用いた場合,操作が簡便であるため短時間に多量のサンプルを測定することが可能となり,測定者の主観も入り込む余地が無くなる.これらのことから,小核試験においてフローサイトメーターを用いることが大変有用であると判断したため,以下に示す検討試験を実施した.【試験方法】マウスに既知小核誘発物質であるマイトマイシンC(MMC)を投与し,24∼48時間後にサンプルとして末梢血液を採取した.顕微鏡観察に際しては,末梢血液をアクリジンオレンジ(AO)染色したスライドガラス標本を作製した.この標本を落射蛍光顕微鏡下で観察し,小核を含む網状赤血球(MNRET)の出現頻度および全赤血球中における網状赤血球(RET)の比を求めた.フローサイトメーターを用いる場合は,Micro Flow PLUS kit (BD Pharmingen)を用いて末梢血液に固定等の処理を行った.次いで,抗CD71-FITC標識抗体で網赤血球を,propidium iodide (PI)で小核を,抗CD61-PE標識抗体で血小板をそれぞれ染色した.フローサイトメーター(CytomicsTM FC500,ベックマン・コールター株式会社)で計測し,顕微鏡観察と同様にMNRETの出現頻度,RETの比を求めた.今回はこれらの両データの相関性・問題点等について報告する.
収録刊行物
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- 日本トキシコロジー学会学術年会
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日本トキシコロジー学会学術年会 32 (0), 86-86, 2005
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205659017344
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- NII論文ID
- 130007003927
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可