Gene expression profiling specific to the cerebral white matter in rats exposed developmentally to decebromodiphenyl ether

FUJIMOTO HITOSHI, SHIBUTANI MAKOTO, WOO GYE-HYEONG, INOUE KAORU, U MAMI, TAKAHASHI MIWA, HIROSE MASAO

doi:10.14869/toxp.34.0.5070.0

発達期での甲状腺機能低下によりニューロンやオリゴデンドロサイト（Oligo）を標的とした脳発達障害が懸念されるが、難分解・高蓄積性化学物質には弱いながらも抗甲状腺作用の疑われるものが多い。本研究では、既存毒性評価系では影響が検出されにくいこれらの物質に対応できる、発達期中枢神経影響評価系の確立を目的として、臭素化難燃剤に属し、弱い抗甲状腺作用が指摘されているDBDEを発達期暴露したラット児動物脳でのOligoの傷害指標遺伝子探索を、抗甲状腺剤を陽性対照とした白質部位特異的なマイクロアレイ解析により行った。【方法】雌SD:IGSラットに妊娠10日から離乳時（生後21日）までDBDEを10、100、1000 ppmの割合で混餌投与、あるいは抗甲状腺剤のmethimazoleを200 ppm、propylthiouracilを3、12 ppmの割合で飲水投与した。暴露終了時に雄児動物脳を採取し、マイクロダイセクション法により切り出した白質（脳梁及び左右大脳白質）をAffymetrix GeneChip (230 2.0) により解析した。生後11週では、大脳の脳梁面積、Oligo分布密度を検討した。【結果・考察】生後11週で、抗甲状腺剤暴露により脳梁面積、Oligo密度が減少し、同様の結果が100 ppm以上のDBDE暴露例でも認められた。暴露終了時の白質マイクロアレイ解析により、DBDEの各用量に共通した発現増加／減少遺伝子を129／16個見出した。その内約1割が抗甲状腺剤暴露例と共通し、グリア細胞分化に関与するNcor1、BMP6、軸索ガイダンスに関与するDcc、ミエリン形成に関与するCldn11の発現変動を認めた。DBDE暴露例のみで発現変動した遺伝子として、グリア細胞分化に関与するGli2、Smad1、軸索ガイダンスに関与するSlit3、細胞移動に関与するDab1、Epha7を見出した。以上より、DBDE発達期暴露による白質影響の標的として、Oligoの発達・分化に影響を与える複数の遺伝子が得られ、その中には甲状腺機能低下を介さないものも多く見出された。

Gene expression profiling specific to the cerebral white matter in rats exposed developmentally to decebromodiphenyl ether

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