Mitotic chromosomes and cytological karyotype of cucurbit anthracnose pathogen <i>Colletotrichum orbiculare</i>

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  • ウリ類炭疽病菌<i>Colletotrichum orbiculare</i>の体細胞染色体と核型

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ウリ類炭疽病菌Colletotrichum orbiculare(teleomorph: Glomerella lagenaria)は子嚢菌Glomerellacea科に属する植物病原菌で,菌類の植物病原性研究におけるモデル種として重要である.本菌はゲノムサイズが約90 Mbであることが最近明らかになったが,染色体サイズが大きい(最小染色体で5~6 Mb)ためにパルスフィールドゲル電気泳動解析は難しく,核型情報は不明であった.そこで,本研究では104-T (MAFF240422,ゲノムプロジェクトの対象菌株)とGIS04-20の2菌株を供試して体細胞分裂中期染色体と細胞学的核型の解析を行った.染色体標本は発芽分生子に発芽管破裂法を適用して作製し,DAPI/propidium iodideの蛍光二重染色あるいはギムザ染色した標本を蛍光顕微鏡(DAPI/ FITC/ TRITC用triple band-pass filter使用)と明視野顕微鏡で観察した.また,NOR(rDNA)は蛍光in situハイブリダイゼーションで検出した.得られた結果をまとめると,(1)染色体数は両菌株ともn=10である,(2)最小と最大の染色体の長軸長比は104-T で約1:2.4,GIS04-20で約1:2.3であり,染色体長による大まかな染色体の整列が可能である,(3)両菌株の大半の染色体は高度にAT-richな領域と高度にGC-richな領域に明瞭に分断されている,(4)AT-rich領域は動原体と推定される狭窄部を含み,pericentromericヘテロクロマチンである可能性が高い,(5)NOR染色体は両菌株ともゲノム中に1本であるが,染色体サイズとNORの存在部位は互いに異なる,(6)ギムザ染色は塩酸ギムザ法とギムザ分染法(尿素処理法)のいずれも有効で,分染法の場合はAT-rich領域が濃染される,(6)両菌株のイディオグラムを比較すると核型多型は明らかである.今回決定された核型は体細胞染色体に基づくものとしては菌類で報告された最も詳細なものであり,本菌は菌類における染色体・核型の多型やヘテロクマチン研究の材料として非常に有用であると考える.

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390001205661405568
  • NII Article ID
    130007004865
  • DOI
    10.11556/msj7abst.55.0.54.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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