高齢者・障害者用LED音響ポールの実用化検証

DOI

抄録

<br>【目的】視覚障害者の人々も信号交差点で危険を感じている人が多い。音響信号は夜間停止され、視覚障害者用道路横断帯、PICS等の歩行支援システムなどが整備されつつあるが、十分には普及しておらず、信号交差点の安全性向上が求められている。<br> そこで本研究は、信号交差点の安全性を向上するための「高齢者・視覚障害者用LED音響ポール(通称:LEDポール)」の実用化に向け、その有効性を検証するために調査を実施した。ここで、LEDポールとは、視覚障害者用音響式ポールの両側に設置されたLEDにより灯色状態を示し、歩行者が横断歩道手前で信号が確認できる音響式ポールである。<br><br>【方法】ロービジョン者に対する有効性を把握するため、大阪府立盲学校にLEDポールおよびランプユニット式歩行者用信号灯器を設置し、生徒17名に対してLEDポールの視認性に関する実験およびアンケート調査を実施した。<br><br>【結果】ランプユニット式信号灯器は正面から6m離れて信号の色がはっきり確認できる人は約6割であった。これは片側1車線程度の信号交差点で約4割の人が信号の色をはっきり確認できていないことになる。また、9割近くの人がはっきり信号の色が確認できる距離は2m程度であった。このことよりも、ランプユニット式信号灯器の色をはっきり確認できる人は少ないと考えられる。<br> LEDポールは正面から見て15m離れても信号の色がはっきり確認できる人は約2割であり、ランプユニット式信号灯器とほぼ同程度であった。しかし、約8割の人が灯器状態をある程度確認できる距離は2~3mである。LEDポールの存在については、通常の歩行者用灯器に比べ、その存在が発見しやすい傾向にある。<br><br>【結論】片側1車線程度でもランプユニット式信号灯器をはっきりみえる人は6割程度しかおらず、それ以上の距離では横断歩道手前で灯器状態の確認できるLEDポールが非常に有効であると考えられる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205665989376
  • NII論文ID
    130007005472
  • DOI
    10.14908/jslrr5.10.0.126.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ