視覚障がいの有無に関わらず使用できる、触覚を用いた生活認識と健康教育の方法
説明
【目的】生活を通した健康づくりは、障がいの有無に関わらず重要事である。しかし現行の調査や教育の方法には、目で見て確認する過程が含まれることが多く、視覚障がい者の使用は困難である。障がいの有無に関わらず、生活から健康を振り返ることができる方法の開発を試みた。<BR> 【方法】以前開発した二次元イメーシ゛展開法(食や生活のキーワート゛を記したラヘ゛ルを二次元的に展開してマッフ゜を作成し、その過程を通して当事者が自己の生活を振り返る)を出発点に、触覚によって作業できる方法を目指した。「道具や設備に手で触れたとき、日常的に経験しているものならば、瞬時に意味が理解できる」とするHaptic Glanceの考え方を参考にした。「食事」というキーワート゛を見て「食事する行為」を想起するのではなく、特定の手がかり(たとえば箸)を触れることでその行為を想起できるのであれば、同様の触覚的手がかり(ミニオフ゛シ゛ェ)によりキーワート゛を系統的に置き換えることができよう。<BR> 【結果】小倉と長崎で行われた視覚障がい者を囲むワークショッフ゜(WS)で触覚法を試行した。両WSの参加者154名の内訳は、晴眼者91名、Low Vision者34名、全盲者29名であった。触覚法により独力でマッフ゜を完成できた割合は、晴眼者98.9_%_、Low Vision者100_%_、全盲者82.8_%_であった。また全盲者の13.8%は周囲からの援助を得てマッフ゜を完成させることができ、マッフ゜を作れなかった全盲者は1名(3.4%)であった。マッフ゜作成後の交流を通して、視覚障がいの有無に関わらず、参加者は自己の生活について語り、健康への洞察を深めることが示された。<BR> 【考察】生活を想起できる多様なミニオフ゛シ゛ェを開発することで、より具体的な生活の局面に適合した参加的な教育・調査方法になると期待される。
収録刊行物
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- 日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
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日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集 7 (0), 55-55, 2006
日本ロービジョン学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205666755712
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- NII論文ID
- 130007005839
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可