視覚障害者スポーツとサッカー

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  • 日本におけるブラインドサッカーの現状について

抄録

イギリスで生まれたサッカーは、20世紀を通じて、世界文化というべきものに発展しており、今や、全世界で2.5億人のサッカー人口がいると言われているまでに発展した。 視覚障害を持つアスリートたちも、これには無関心ではなかった。視覚障害者のサッカーは、視覚障害者スポーツの中でも、最も自由に動き回れる競技で、このサッカーは「ブラインドサッカー」として広まっていった。今回、日本におけるブラインドサッカーの現状について報告し、今後の課題を検討する。<BR> ブラインドサッカーはIBSA(国際視覚障害者スポーツ協会)によって国際ルールが決められ、視覚障害者が健常者に近いサッカーを行うことが可能となると同時に、安全性を考慮したものとなっている。コートはフットサル用の小さなコートを壁で囲み、晴眼者のゴールキーパーや、相手ゴールの後ろで味方選手のシュートを声で誘導するコーラ-と呼ばれる者を置くことなどをして、ゲームの娯楽性や安全性を保っている。<BR> この、ブラインドサッカーは1980年代スペインで始まり、その後ヨーロッパや南米を中心に広がった。1998年にはブラジルで、2000年にはスペインで世界大会が開催され、現在は30カ国以上でこの競技が実施されている。そして、2004年にはアテネパラリンピックで正式種目となった。日本では、2001年、日韓共催ワールドカップに先駆けて、日本と韓国の交流の一環として、ブラインドサッカーが日本に伝えられ、それをきっかけに、日本各地に広まった。<BR> わが国では、数年前から組織的な活動を進めており、講習会の開催や競技規則の整理、そしてリーグ戦の開催など、各地域の地道な活動を続け、今日の普及につながっている。今後、さらなるブラインドサッカーの普及・発展、競技力の向上を目指し、多くの人がブラインドサッカーに親しみ、選手・チームが育つことが課題として挙げられる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205667070336
  • NII論文ID
    130007006102
  • DOI
    10.14908/jslrr5.6.0.56.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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