同音異義語のかな漢字変換練習用音声コンテンツの試作

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抄録

【背景】 パソコン(以下,PC)を用いて,日本語の文章を入力をする際,かな漢字変換をする必要がある.音声を利用している場合,詳細読みによって変換結果を確認する.しかしながら,同音異義語を多く持つ言葉を正確に変換しようとした場合,詳細読みで提供される情報だけでは,不十分な場合がある. また,視覚障害者が多く参加しているメーリングリストでは,かな漢字変換結果にあまり自信がないという報告もなされている. 【目的】 同音異義語を正しく使い分けるためには,ユーザが数多くの用例に触れ,同音異義語の使い分けに慣れる必要があると考えた. そこで,同音異義語を含む短文を作成し,音声を聞きながら多くの用例に触れ,練習するための音声コンテンツを試作することとした. 【音声コンテンツの制作】 同音異義語は,漢字検定の4級と3級の問題集から収集した.この単語を使い短文を独自に作成した.短文の質を均質化するため,複数の協力者に依頼して校正を行った.さらに,短文に含まれる単語のレベルを統制するため,単語親密度という値を用いて極端に難解な表現がないことを確認した.完成した短文集はアナウンサに依頼し収録した. 独自に作成した短文なので,再配布や改変に関する規定を自由に定めることができる点とレベルの統制が行われている点が,この音声コンテンツの主たる特徴である. 【今後に向けて】 実務場面では,常用漢字をすべて網羅する漢字検定2級程度が必要になると思われる.今後は,今回の試作を踏まえコンテンツの修正,拡充を行う必要がある. また,かな漢字変換をPC側から支援するソフトウェアの開発も平行して行っている.ユーザサイド,PCサイド両面から,より快適なかな漢字変換の環境を構築していきたい.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205667116160
  • NII論文ID
    130007006187
  • DOI
    10.14908/jslrr5.7.0.115.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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