エスカレーターの安全性に及ぼすハンドレールのデザインの効果
書誌事項
- タイトル別名
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- -ハンドレールのデザインが視線や視認距離に及ぼす影響-
説明
【目的】<br> エスカレーターの乗降の際、不安を感じたり、乗り降りの際にタイミングがとれなかったりすることがある。本研究では、ハンドレールのデザインが、エスカレーターの上り下り判断に有効か否かを検討した。<br> 【方法】<br> エスカレーター乗降時に何を手がかりにしているかを、眼球運動、上り下り判断の視認距離、インタビューの3つの観点から分析した。被験者は、晴眼の大学生6名とロービジョンの大学生6名であった。使用したエスカレーターは、新幹線ホームに設置されている、上り線および下り線、各2機ずつであった。輝度が6.3cd/m2のハンドレールに55.6cd/m2のひし形の模様をプリントした。被験者の課題は、エスカレーターに向かって歩き始め、2機のエスカレーターの上り下りを判断できる位置で立ち止まり、そのときに何を手がかりにしたかを実験者に報告することであった。実験条件は、エスカレーターの方向が2通り、ハンドレールの条件が2通りで、それぞれ、5回の繰り返しを行った。<br> 【結果】<br> 各被験者がエスカレーターの上り下りを判断した際の距離に関して分析した結果、個別のデータではハンドレール条件間に差がある者とない者とに分かれたが、全体としては、上り条件において差がなく、下り条件においてデザインありの方が視認距離は大きかった。2要因2水準(被験者の属性×ハンドレール条件)の分散分析を行った結果、上り条件では、被験者の属性に有意な主効果が認められたが(p<0.01)、ハンドレール条件の主効果は有意ではなかった。また、下り条件では、被験者の属性(p<0.01)、ハンドレール条件(p<0.01)ともに主効果があった。 <br> 【結論】<br> ハンドレールにデザインを付すことによって、より遠くからエスカレーターの方向を判断できることがわかった。<br>
収録刊行物
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- 日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
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日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集 7 (0), 120-120, 2006
日本ロービジョン学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205667121536
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- NII論文ID
- 130007006193
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可