Eye movement訓練を実施した遺伝性視神経症の一例

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抄録

<br>  中心暗点を持つ視野障害者にとって読書困難は大きな問題となる。<BR> 視対象までの距離を近くすることによる暗点の縮少と視対象の拡大、補助具の活用および偏心視により解決される場合もあるが、深く広範な暗点が視野の長身に位置する重篤な症例にはそれでも不十分である。<BR>  Eye movement 訓練による視野拡大法により、重篤な読書困難の改善をみた報告があるが、その症例数はまだ少ない。<BR>  そこで、中心暗点のために重篤な読書困難を抱える遺伝性視神経症の1例にEye movement訓練を実施し、読書困難が改善されるかについて検討することにした。<BR> 症例 39歳の男性。2000年6月遺伝性視神経症と診断される。<BR>     2007年6月13日eye movement 訓練を希望して当院を受診した。<BR>     視力 RV=0.01(0.02 ×-1.0D)<BR> LV=0.01(0.02 ×-2.0D)<BR>     視野 両眼にV/4で25°I/4で35°の中心暗点を認める。<BR> 方法 患者に網膜のどの部位で見ているかをゴールドマン視野とペンライト法で確認させ、直像鏡で固視点を確認した。<BR> 牛乳パックを用いたEye movement訓練法を指導した。<BR> 1日1回3~5分間のEye movement訓練を自宅訓練するとともに、週1回診療時にその訓練を確認した。<BR> 読み速度を訓練実施前後で測定し比較検討することにより、この症例に対するEye movement訓練の有効性を判定する。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205667903104
  • NII論文ID
    130007006611
  • DOI
    10.14908/jslrr5.8.0.33.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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