脳波シータ波により創発する前頭-側頭皮質の記憶ネットワーク

  • 水原 啓暁
    京都大学大学院情報学研究科 理化学研究所脳科学総合研究センター
  • 佐藤 直行
    理化学研究所脳科学総合研究センター 公立はこだて未来大学
  • 山口 陽子
    理化学研究所脳科学総合研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Cortical network between frontal and medial temporal cortices emerges with EEG theta oscillation

説明

海馬を含む側頭葉内側面と前頭葉との皮質ネットワークは,ラットやヒトなどにおいて記憶に重要であると考えられている.従来のラットの空間記憶課題を用いた研究により,この記憶のためのネットワークは,シータ帯域での神経の集団電位に関連して動的に創発すると考えられている.そこで我々は,ヒトにおいても脳波シータ波により前頭葉と側頭葉内側面をつなぐ皮質ネットワークが動的に形成されることを示すために,新規風景の記憶課題中のヒトの脳波と機能的MRIの同時計測を実施した.その結果,前頭からのシータ波の発生に伴い,前頭葉内側面と側頭葉内側面が活動することが明らかになった.また,これらの活動に加えて,シータ波の発生に伴い,前頭眼野が活動することが明らかになった.これらのことは,側頭葉内側面を要する記憶課題において,ヒトにおいても前頭を含む動的な皮質ネットワークの創発がシータ波により実現されていることを示している.

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キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205675045632
  • NII論文ID
    130005036425
  • DOI
    10.14875/cogpsy.2009.0.16.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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