山高ければ谷深し

  • 山田 祐樹
    九州大学大学院人間環境学研究院 日本学術振興会特別研究員
  • 河邉 隆寛
    九州大学大学院人間環境学研究院
  • 井隼 経子
    九州大学ベンチャービジネスラボラトリー

書誌事項

タイトル別名
  • The higher the mountain, the deeper the valley
  • Cognitive difficulty in object categorization explains the uncanny valley phenomenon
  • ―対象のカテゴリ化における認知的困難度は不気味の谷現象を説明する―

説明

非人間的対象の人間らしさが増大すると,ある時点でその対象への評価が急激に低下するといわれる (不気味の谷現象).本研究は,この評価の低下が,対象を2つのカテゴリに分類する困難さと関係しているかを検討した.実験1では,実際の人物と漫画の人物の画像を0%から100%までの10%ずつのモーフィング率で合成した11枚の画像を用いた.観察者は各画像に対しカテゴリ判断 (実際-漫画) を求められ,その潜時をカテゴリ化困難度の指標とした.また,各画像の好意度について-3 (嫌い) から3 (好き) の7段階で評定させた.結果として,モーフィング率とともに潜時と好意度評定値が変化し,最も潜時の長かった画像と最も評価の低かった画像が一致した.実験2では,犬の画像 (実際,ぬいぐるみ,及び漫画) を用いても同様の結果を得た.これらの結果は,カテゴリ化困難な画像における処理流暢性の低さが評価の低下を引き起こすことを示唆する.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205675769984
  • NII論文ID
    130005036619
  • DOI
    10.14875/cogpsy.2010.0.55.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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