手で使用する道具の認知過程を説明する脳内シミュレーション仮説の検証

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タイトル別名
  • Internal simulation hypothesis for cognitive process of graspable tools

抄録

手で使用する道具の認知は,手の身体モデルを用いた把持運動の脳内シミュレーションによって評価された把持可能性に基づいていると考えており(脳内シミュレーション仮説),この仮説の妥当性を検証してきた.しかしながら,最近報告されたBBR効果でも説明できてしまうという新たな課題が生じた.そこで,右手だけでなく左手の新たな身体モデル(変形した手形状に対応したモデル)を学習し,利き手で使用する道具と非利き手で使用する道具に関する道具のサイズに関する認知的判断「道具と見なすサイズ」を計測した.さらに,BBR効果を調べるために「見かけのサイズ」も計測した.この結果,見かけのサイズは手形状の変形の影響を受けていなかったため,本実験においてBBR効果は生じていなかった.道具と見なすサイズの計測結果は我々の仮説からの予測結果と一致する傾向を示した.これらの結果は,我々の仮説の妥当性を示している.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205675927296
  • NII論文ID
    130005489008
  • DOI
    10.14875/cogpsy.2015.0_15
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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