視覚と運動のタイミングが幻肢の運動感覚へ及ぼす影響
書誌事項
- タイトル別名
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- The effect of visuomotor timing on phantom motor sensation
- 1症例における検討
- A case study
説明
運動に対する視覚フィードバックが遅延すると自己主体感(自己が行為を起こしている実感)が減少する。他方で,切断後にその存在を感じる幻肢においては,運動と視覚フィードバックのタイミングと幻肢の運動感覚(自己主体感)との関連は検討されていない。本研究では左腕切断患者1名の協力を得て,遅延視覚フィードバックが幻肢の運動感覚に及ぼす影響を調べた。実験では,健常側の右手の開閉運動を撮影して左右反転させてモニタに映し,左腕前方へ呈示した。遅延0, 250, 500ミリ秒のいずれかの映像を観察した後,幻肢の運動感覚の強さを評価した。結果,遅延250, 500ミリ秒条件では運動感覚が減少したが,幻肢の開閉運動の位相を遅延500ミリ秒映像のそれに合わせるよう教示すると,運動感覚が増大した。遅延視覚フィードバックが幻肢の運動感覚を減少させること,トップダウン情報も幻肢の運動感覚に影響することが示唆された。
収録刊行物
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- 日本認知心理学会発表論文集
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日本認知心理学会発表論文集 2014 (0), 38-, 2014
日本認知心理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205676106240
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- NII論文ID
- 130005480954
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可