観察者の生理指標を用いた他者感情価推定の予測モデル

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タイトル別名
  • A prediction model for valence estimation of facial expressions based on physiological measures

抄録

他者感情推定のモデルとして,観察者が他者と同様な生理状態になることで感情を推定するという体現的シミュレーション仮説が提唱されているが,他者の感情表出率の影響については十分に明らかにされていなかった。そこで本研究は,物理的な表情の変化量であるモーフィング率と観察者の生理反応の関連を検討した。実験では,中性表情からモーフィングされた幸福または怒り表情が表出している感情価と覚醒度を参加者に推定させ,課題中の生理反応を測定した。各表情画像の平均的な生理的変化を説明変数,各表情画像の平均感情価推定値を目的変数とした重回帰分析の結果,皺眉筋活動,大頬骨筋活動,および心拍変動は感情価推定値を有意に予測した。以上より,すべてのモーフィング率の感情価推定値を観察者の生理的変化が予測する傾向がみられたので,体現的シミュレーションによる自己の生理的変化は他者の感情表出率に対応する可能性が示唆された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205676359680
  • NII論文ID
    130006172162
  • DOI
    10.14875/cogpsy.2017.0_19
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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