デイジー図書再生録音器の訓練について

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抄録

視覚障害者のリハビリテーション課題としては歩行やパソコン、点字といった訓練が行われている。どの訓練もニーズが高く、獲得すれば生活の質が向上し、その他の手段を用いて代替することが困難な特徴をもつといえる。(歩行以外の方法で移動、パソコン以外の方法での文書入力やインターネット、点字以外の方法で文字を読み書きするのは困難) 2009年度から日本点字図書館では新しいテープ図書の製作が終わり、2011年度にはテープ図書の貸し出しからデイジー図書と切り替えることとなっている。それ故、視覚障害者が本を読むため、または通信を発行するためにデイジー図書の再生録音機を使用することが望まれてくるだろう。 機器の種類にはプレクストークやVR-Streamがあり、インターフェイスや音声ガイドがよく研究され、マニュアルも墨字や点字CD、テープが用意されていて充実しているが、実際に視覚障害者に聞いてみると手元にあるものの使用法が分からない、マニュアルを読んでも(聞いても)理解できない、機能の一部しか使用していない、使用できるか不安で申し込めない、箱のまま手をつけていないという意見が目立った。実際筆者もマニュアルを読みながら使用法を覚えたが、再生・停止、早送り、巻戻しなどデイジーを聞く上で最低限度必要な操作はすぐに理解できたが、タイトル、フレーズを理解し、応用するのには時間がかかった。 そこで、東京都視覚障害者生活支援センターでは、デイジー図書の再生録音器がその他の機器を用いて代替させることが困難なツールで、それを訓練することで視覚障害者の情報収集や自立助長につながると考え、訓練課題として行っている。 現在、当センターでは基礎的な操作を習得した視覚障害者に対し、授業の録音を整理するにはどうしたら良いか、料理でレシピを整理して録音したい、2つ以上の機種を使い分けたい、パソコンでデイジー図書を管理したいといった実生活上の高度な操作が求められる質問の対応に追われている。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205678128896
  • NII論文ID
    130007008131
  • DOI
    10.11507/jarvi.18.0.24.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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