視覚障害者のための触地図作成システムの開発

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タイトル別名
  • 経路情報を利用した触地図簡略化

抄録

1.はじめに<br> <br> 著者らは視覚障害自身が触地図を作成できるWebアプリケーションの研究・開発を行っている.研究の初年度である2008年には,数値データから触地図を生成する基礎技術を確立した.2009年には地図データを充実させ,触地図で表現できる要素を増やすことを可能とした.この間,研究成果報告会の開催やサイトワールドへの出品をとおして視覚障害者から意見・感想を集めている.2010年はこれまで要望の多かった触地図の簡略化をテーマに開発を行っている. <br> <br> 2.経路情報を利用した触地図簡略化<br> <br> 本アプリケーションは開発の当初から,2つの住所を出発地・目的地として指定して触地図を作成することができるように設計されている.これはルート検索のために触地図を使用できるようにするためである.今回の開発ではこの機能を発展させてルートの自動検索を行い,そのルート情報に基づいて触地図の簡略化を行う. <br> 簡略化は以下の手順で行われる.1)ユーザが指定した出発地と目的地を含む触地図を描画する.2)出発地と目的地を結ぶ最短経路を検索する.3)最短経路を中心に一定の幅を残して他の部分を消去する(ただし,線路や駅などのランドマークは削除しない).以上の処理が自動的に行われて,目的地と出発地の経路とその周辺だけが描かれた触地図ができあがる. <br> <br> 3.今後の展望 ― 触地図の普及・品質向上に向けて<br> <br> 2010年6月から触地図を配布するサービスを開始した.このサービスを通して,できるだけ多くの視覚障害者から意見を集め,触地図の品質向上をはかっていく予定である.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205678950528
  • NII論文ID
    130007008162
  • DOI
    10.11507/jarvi.19.0.53.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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