交差点横断部の視覚障害者誘導用ブロックに関する調査研究

説明

【研究の目的】<BR>  本研究は、交差点でのブロック敷設方法と敷設ブロックの種類を変更する事により、多くの視覚障害者が、安心して安全に横断できることを可能にし、日常的に無理なく交差点を利用できることを目的とする。<BR>  具体的には、「視覚障害者誘導用ブロック設置指針」通知当時存在しなかったホーム縁端警告ブロックを活用する事により、交差点横断前の方向定位が確実にできることを実証する。<BR><BR> 【研究の先進性】<BR>  ホーム縁端警告ブロックは、内方線を境に鉄道ホーム上の自身の位置を明確にすることにより、視覚障害者がホームから転落することを防ぐために開発されたブロックである。<BR>  内方線を両足で同時に踏む事により方向定位がたやすくできる事に着目し、それを交差点に活用させることがこの研究の特徴である。<BR>  交差点構造を大規模に改築せず、このブロックを敷設する事だけで、視覚障害者の交差点横断時の大きな不安要素を取り除く可能性がある。<BR>  本研究で得られた知見は、従来の視覚障害者誘導用ブロックの設置基準の本格的な見直しに向けての第一歩として位置づけることができる。<BR><BR> 【今後の展開】<BR>  本研究の成果に基づいて提案される新たな視覚障害者誘導用ブロックの敷設方式が各地に広まることで、視覚障害者(特に全盲者)にとって安心・安全な歩行空間の提供が実現する。<BR>  また、昭和60年に定められ、今日まで大幅な見直しがなされてこなかった「視覚障害者誘導用ブロック設置指針」の改定の議論に対して、貴重なデータを提供し得る。<BR>  本研究の成果をもって、JR荻窪駅周辺地区(延べ約40名/日の視覚障害者が行動している)で社会実験を行うことも目的とする。現在、代替手段(バス等)を利用している視覚障害者に対して、安全に移動できる環境を提供し、移動の選択肢を増やして、QOLを高める。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205679015552
  • NII論文ID
    130007008197
  • DOI
    10.11507/jarvi.20.0.12.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ