中途視覚障害者の筆記行動を支援するための提案_II_

DOI
  • 伊藤 和之
    国立障害者リハビリテーションセンター 自立支援局
  • 江崎 修央
    鳥羽商船高等専門学校 制御情報工学科
  • 加藤 麦
    国立障害者リハビリテーションセンター 自立支援局
  • 谷口 勝
    国立障害者リハビリテーションセンター 自立支援局
  • 清田 公保
    熊本高等専門学校 人間情報システム工学科
  • 内村 圭一
    熊本大学大学院 自然科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • ―予診票作成システムと施術録作成システムの開発―

抄録

【目的】  本研究は、日常生活・学習・就労の場面における自立を目指す中途視覚障害者の筆記行動を促進するリハビリテーション・サービスの創造の一環として、鍼灸等臨床時の予診票作成システムと施術録作成システムの開発を目的とする。本システムは、予診票作成から、医療面接、施術録作成までの流れをより円滑にするとともに、文字入力の選択肢の拡大を目指している。<BR> 【方法】  予診票作成システムは、初診患者の手書き情報をデータベース化する。システム開発には、市販のデジタルペンシステムを活用した。これはデジタルペンとメモリユニットを搭載した専用バインダで構成されている。バインダとデータ登録用端末をUSB接続し、文字認識処理を図る。予診票の検索や閲覧は、キーボードもしくはデジタルペンの操作でできるようにした。  施術録作成システムは、臨床実習生が予診票の情報を検索し、医療面接と施術録の内容をデジタルペンで記載する想定で開発する。そして、記載内容のデータベース化と音声化の実現を図ることとした。開発と試行は、国立障害者リハビリテーションセンター施術室で実施した。<BR> 【結果】  予診票作成システムは、2009年11月から1ヶ月間試用した。新規患者10名の予診票のうち、7名分のデータベース化が成功した。施術録作成システムは2009年12月から臨床実習生に協力を仰ぎ、試用を始めている。実習生はシステムの操作説明のみを受け、予診情報の検索、デジタルペンでの施術録入力を試みた。現在、文字認識処理まで実現している。<BR> 【考察】2つのシステムは、長期間の特別な練習を必要としない点が特徴として挙げられる。予診票作成システムの文字認識エラーは、受付係がシステムの操作手順に慣れるに従い改善された。施術録作成システムも、操作手順のみの理解で使用可能であることが見込める。今後、キーボード入力との共存を図り、利便性を高める方針が得られた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205679137920
  • NII論文ID
    130007008237
  • DOI
    10.11507/jarvi.19.0.19.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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