Germination traits of <i>Oenothera</i> spp. by difference of the pollination style.

Bibliographic Information

Other Title
  • 3種のマツヨイグサ属植物の受粉様式の違いによる発芽特性

Description

マツヨイグサ属植物は辺りが暗くなり始めたら開花し、強い芳香を放つ外来種である。マツヨイグサ属植物の中で最も花径の大きいオオマツヨイグサOenothera erythrosepala Borbasは近年減少し、花径の小さいメマツヨイグサOenothera biennis L.、匍匐性のコマツヨイグサOenothera laciniata Hillが分布を拡大している。マツヨイグサ属植物はポリネーターをスズメガ、ヤガとする虫媒花であるが、自家和合性も確認されている。そこで、受粉様式の違いがマツヨイグサ属植物の増減に影響しているかを検討するために、花に対する袋がけ実験を行うことで、自家受粉率と受粉様式の違いによる結実率を調べた。受粉様式は、1)自家受粉、2)除雄、3)隣花受粉、4)他家受粉の4処理とし、処理を行った後に袋をかけた。マツヨイグサ属植物は一日花なので、袋は翌日はずした。また、結実した種子の数と重量を測定し、さらに強光条件、変温・恒温条件のもとで発芽実験を行った。なお、オオマツヨイグサの自家受粉率については、実験に十分な個体群が見つからなかったため、行っていない。<br><br> 袋がけ実験の結果より、メマツヨイグサ、コマツヨイグサの自家受粉率はそれぞれ83.1±13.9%(n=342)、89.5±9.2%(n=365)であった。また、オオマツヨイグサの自家受粉率は既存の文献より、81.1%(n=307)(Kachi 1983)という報告がある。結実率、種子重、種子数においては3種とも有意な差は認められなかった。また、発芽実験の結果においても、3種とも受粉様式の違いによる発芽率に有意な差は認められなかった。<br><br>以上の結果から、受粉様式が異なっても種子は結実し、結実した種子には発芽能力があることがいえる。また、3種とも自家受粉率が80%以上と高いことから、ポリネーターに依存しなくても種子生産は可能であることが示唆された。これらのことから、オオマツヨイグサの減少とメマツヨイグサ、コマツヨイグサの分布拡大には受粉様式の違いが影響していないと考えられる。<br>

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390001205686626176
  • NII Article ID
    130007009169
  • DOI
    10.14848/esj.esj51.0.120.0
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

Report a problem

Back to top