針葉樹3種の硝酸同化の季節変動:硝酸還元酵素活性を指標として
書誌事項
- タイトル別名
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- Seasonal variation in nitrate assimilation of three coniferous species: using Nitrate Reductase Activity as an indicator
抄録
窒素は植物にとって多量必須元素である。硝酸態窒素(以下硝酸)は植物の窒素源として最も重要な物質の一つであることから、植物による硝酸同化を理解することは重要であると考えられる。植物による硝酸同化の指標として硝酸還元酵素活性(NRA)が広く用いられている。植物による硝酸同化ポテンシャルの指標となるNRA(NO₃)を用いた研究は多く、硝酸同化の特性は種間差が大きいことが知られている。さらに、近年は実際の硝酸同化量の指標となるNRA(H₂O)の測定も行われ、2種類のNRAを同時に測定することで植物の硝酸同化をより正確に把握できると考えられる。<br>本研究は日本の代表的な植栽針葉樹であるスギ・ヒノキ・アカマツを用い、NRA(NO₃)とNRA(H₂O)を年間を通して測定することにより、硝酸同化の種特性と季節性を明らかにすることを目的とした。<br>3樹種はいずれも、展葉が盛んな時期にNRA(NO₃)とNRA(H₂O)が有意に高くなった。このことから、これら3樹種は展葉に伴う窒素需要増大を補うために硝酸同化ポテンシャルを高め、硝酸同化量を増大させていると考えられた。さらに、いずれの樹種でも、休眠期とされる12月_から_2月にNRA(NO₃)・NRA(H₂O)ともに高くなった。この傾向は常緑広葉樹では見られず(小山 未発表)、常緑針葉樹の特徴であると考えられた。これまで樹木の硝酸同化に関する研究は成長期を中心に行われてきたが、本研究から常緑針葉樹の場合は休眠期も重要であることが示唆された。<br>アカマツはスギ・ヒノキと比較して、単位重量あたりのNRA(NO₃)は高かったがNRA(H₂O)は低かった。このことからアカマツはスギ・ヒノキよりも硝酸同化ポテンシャルが高いにも拘わらず、同化量は小さいことが示された。これはアカマツのアンモニア嗜好性と関連があると考えられた。<br>
収録刊行物
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- 日本生態学会大会講演要旨集
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日本生態学会大会講演要旨集 ESJ51 (0), 122-122, 2004
日本生態学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205686627072
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- NII論文ID
- 130007009171
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可