Significance of underground copulation in the primitive fiddler crabs

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  • 原始的シオマネキにおける巣穴内交尾の意義

Description

ハクセンシオマネキのような,“進化的な”シオマネキ類では,雄が求愛ディスプレイによって雌を自分の巣穴内に誘い,そこで交尾する「巣穴内交尾」が一般的である.その際,雄は,雌が産卵するまでガードし,父性を確実にしている.また,雌は雄の巣穴を譲り受け,卵が孵化するまで活動せずに巣穴内で過ごすため,巣穴内交尾は雌にとっても有利な交尾様式であると考えられている. 一方,シオマネキのような“原始的な”シオマネキは,「表面交尾」のみを行うと考えられていた.これは,干潟表面で雌雄が抱き合って行う交尾様式で,交尾後,雄は雌をガードしない.多くの場合,雌はすぐには産卵せず,その後,他雄と交尾するので,父性は確実ではない.また,雌は巣穴を譲り受けないので,雌にとっての利益もない.しかし,巣穴内交尾に比べて,手軽な(コストの小さい)交尾様式であるため,求愛ディスプレイが未発達の原始的なシオマネキでは,表面交尾の段階に留まっている(巣穴内交尾が進化しなかった)と考えられていた. しかし,最近,シオマネキやヤエヤマシオマネキのような原始的なシオマネキ類でも,巣穴内交尾が普通に行われていることが明らかになった.交尾後,雌が巣穴に留まらない原始的なシオマネキ類でも,巣穴内交尾に何らかの利益があるのだろうか。このことを明らかにするため,上記2種を対象にして,交尾行動の詳細な観察を行った.

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390001205689775744
  • NII Article ID
    130007010851
  • DOI
    10.14848/esj.esj52.0.616.0
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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