Polyploidy and allozyme variation in Cacalia auriculata

DOI
  • TACHIBANA MARI
    Graduate School of Environmental Earth Science, Hokkaido University
  • KUDO GAKU
    Graduate School of Environmental Earth Science, Hokkaido University

Bibliographic Information

Other Title
  • ミミコウモリの倍数性とアロザイム変異

Abstract

植物の約30-80%が倍数体由来であるといわれており、倍数化は種分化の一要因であると考えられている。倍数体が様々な環境に分布を広げてきた要因として倍数性の遺伝様式による高い遺伝的多様性が挙げられている。倍数性の遺伝様式では2倍体に比べ集団内に遺伝的多様性を保ちやすく、集団間の遺伝的分化は進みにくいと予測されている。しかし、倍数体には無性的な繁殖様式を持つものが多い。無性的な繁殖様式では親と同じ遺伝型しか生じない。したがって、集団内の遺伝的多様性は低くなり、集団間の分化が進むと考えられる。倍数性と無性的な繁殖様式は集団の遺伝構造にどのように影響しているのだろうか。 キク科のミミコウモリには2倍体で種子繁殖(2倍体-種子繁殖)を行うもの、4倍体で種子繁殖を行うもの(4倍体-種子繁殖)、4倍体で種子繁殖とムカゴによる栄養繁殖を行うもの(4倍体-ムカゴ繁殖)がある。「2倍体-種子繁殖」と「4倍体-種子繁殖」を比較することで倍数性の違いによる影響を、「4倍体-種子繁殖」と「4倍体-ムカゴ繁殖」を比較することで繁殖様式の違いによる影響を調べることができる。本研究では8つのアロザイム遺伝子座を用いて集団内、集団間の遺伝変異を比較した。この結果、集団内の遺伝的多様性は倍数性、繁殖様式の違いに影響を受けた。すなわち「4倍体-種子繁殖」のほうが「2倍体-種子繁殖」に比べ高く、「4倍体-種子繁殖」のほうが「4倍体-ムカゴ繁殖」に比べ高かった。しかし、集団間の遺伝的分化は倍数性の違い、繁殖様式によらず差がみられなかった。

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390001205689852672
  • NII Article ID
    130007010961
  • DOI
    10.14848/esj.esj52.0.668.0
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

Report a problem

Back to top